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第16回日本総合歯科学会 2023/10/28-29 東京

<緒言>

研修歯科医の支台歯形成実習を実施するにあたり、教育用動画に対する研修歯科医の能動的活動について調査するために動画閲覧状況と実技研修前後のアンケートにより検討を行った。

<材料と方法>

令和5年度長崎大学病院研修歯科医28名を対象に、入職1か月以内に上顎右側中切歯への前装冠支台歯形成研修を行った。指導医による支台歯形成のデモンストレーションを撮影した動画(以下、デモ動画と略す)を用いた講義の後、デモ動画をネット配信し10日間の閲覧期間を設けた。その後、マネキン上のメラミン歯に支台歯形成を行う実技研修を行った。動画閲覧時間、回数と実技研修前後のアンケートを集計した。

<結果>

デモ動画閲覧期間中に動画を1回以上閲覧した研修歯科医は28名中10名と少なかった。実技研修前のアンケート結果では、デモ動画を閲覧しなかった18名のうち約8割が支台歯形成のイメージを講義のみで「概ね獲得できた」と回答した。しかし、実技研修後のアンケートでは、自身の支台歯形成に対し「イメージと違った」の回答が18名のうち約7割であった。実技研修後は、「もっと動画を見るべきだった」の感想が認められた。

<考察>

動画閲覧者数が少なかったのは、講義を受講したことで支台歯形成の十分なイメージが獲得できたと判断した者が多く、動画をさらに閲覧するモチベーションが低かったためと考えられる。しかし実技研修後の自己評価により、動画閲覧に対する必要性の理解が高められたことが示唆された。臨床研修においては各診療のイメージを十分に獲得して臨むことが重要であり、これまで、教育用動画の閲覧は一定の効果を有することが報告されている。今後我々は研修歯科医が教育用動画を閲覧する動機づけについてさらなる検討を重ねる予定である。



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